「生物多様性の可視化」プロセスは大きく2つに分かれます。まず、地上にプロットと呼ばれる森林調査区をランダムに50個設置し樹木調査を行います。次に、プロットから得られた樹木の構成比に基づいて生物多様性指標を計算し、これを人工衛星データに基づいて調査区外にも外捜します。

生物多様性を指数化する際に、通常は面積当たりの種数などを基に計算します。しかし、面積当たりの種数では、森林生態系の健全度を表すことができません。これに対して、私たちは、生物多様性をベクトルとして計算します。このことにより、生物多様性が回復しているのか、あるいは劣化しているのかを定量的に判断できるようになります。このような考え方で、生物多様性の可視化を進めているのは世界的にも私たちだけです。

私たちの研究の最終目標は「生態系サービスへの支払い制度(Payment for ecosystem services)」を熱帯林の生産林において確立することです。環境省環境研究総合推進費のプロジェクトにおいても社会実装を目指し、熱帯林の管理現場において私たちの手法の実用性を確認しながら、研究を進めています。実用性を検証するために、私たちの手法を実際に森林管理の現場に導入し、生物多様性指標の鋭敏性や再現性、そしてコストなどを確認しています。このため、現地の林業実務者への指導も研究活動の一環として行っています。

私たちのプロジェクトにとって、生産林の管理者の方々との連携が不可欠です。現在、下の地図に示されている、10か所の森林管理区が私たちのパートナーです。森林管理区とは生産林の単位で、平均的な面積は東京都の半分程度です。森林管理区毎に管理計画が作成され、それに基づいて1つの会社が森林管理区を経営しています。 satellite image analysis
社会実装を目指していることから、行政や環境NGOとの協力も不可欠です。以下が私たちの行政・NGOパートナーです。

  • マレーシア・サバ州森林局
  • インドネシア・東カリマンタン州・Mahakam Ulu県農林業局
    WWF-Indonesia
    Forest Stewardship Council