研究の背景

◆ 熱帯林の減少
熱帯林の減少は、炭素排出と生物多様性の減少の要因として、大きな地球環境問題となっています。現在、世界で最も熱帯林減少率が高いのは東南アジアであり、この地域での問題解決は急務とされています。



◆ 持続的森林管理と森林認証
こうした森林減少を背景に、近年、木材生産の現場である熱帯林では、資源を枯渇させることなく木材を生産する試み「持続的森林管理」が始まりました。その持続的森林管理を達成するための制度として、「森林認証」が確立されています。


「森林認証」とは、持続的に管理されている森林を認証し、そこから生産される木材をラベリングする制度です。
森林管理協議会(FSC)は、左のロゴで知られる国際的な森林認証機関です。


◆ 新制度と課題

森林管理協議会(FSC)では、この認証制度がより直接的に地球環境問題の解決に貢献できるよう、新たな制度として「生態系サービス森林認証」を提案し、2015年から、その制度作りを開始しました。
生態系サービス森林認証では、認証林から生産される木材だけではなく、生態系サービス(生物多様性、炭素貯蓄、水源涵養、土壌保全・レクリエーション機能)にも価値をつけます。また、生態系サービス自体に価値付けをすることで、地球環境問題の解決に貢献できるようになるだけでなく、その森林の管理者により大きな利益がもたらせるようになると考えています。
しかし、この新しい制度である「生態系サービス森林認証」を普及させるためには、以下の課題を達成する必要があります。

課題
@生態系サービスの定量評価方法の確立

どのようにして生態系サービスを広域に定量的に評価するのか?
A認証取得による市場と経済便益の検証
本当に便益が発生する?